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8B 位置推定(2)

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8B 位置推定(2)

8B-1: トラッキングスキャナとモーションセンサを用いた高精度屋内位置推定手法の提案

トラッキングスキャナとモーションセンサを用いた高精度屋内位置推定手法の提案

建物内における人の数や行動を正確に把握するための手段として,レーザ測域スキャナ (LRS) による群衆トラッキング技術が注目を集めている.LRS は, 計測の正確さやカバレッジの広さ,プライバシ性の高さといった利点がある一方で,取得可能な情報が領域内の各地点における人の存在の有無のみに限定されるため,ナビゲーションなど個々人の位置に依存するサービスへの活用が難しいという課題がある.そこで本稿では,スマートフォン等のモバイル端末に標準搭載されているモーションセンサの計測情報をもとに,LRSにより計測された複数の歩行者軌跡の中から,端末保持者に対応する軌跡を特定する手法を提案する.加速度センサおよびジャイロセンサを用いて端末保持者の移動距離および移動方向の変化量を検出し,これらとLRSから得られる歩行者軌跡との整合性をもとに,対応する軌跡の候補を絞り込む.LRSおよびAndroidスマートフォンを用いた実機実験の結果,LRSから得られる歩行者軌跡群の中から,端末保持者に対応する軌跡情報を高い正解率で特定できることが分かった.

8B-2: 照度,色温度を用いた屋内エリア推定手法の検討

照度,色温度を用いた屋内エリア推定手法の検討

近距離無線通信や可視光通信を利用した ユーザーの屋内位置推定手法が現実味を帯び, 屋内位置情報サービスの普及に期待が集まっている. これらの手法は,送受信に特殊な機器が必要な場合が多く, コストがかかる点が問題である. 本研究では,既存の 室内照明の照度および色温度を制御することで 相対的な位置を推定する手法として, 光度を用いた相対位置推定手法および色温度を用いた相対位置推定手法を提案する. 光度・色温度を用いた相対位置推定手法は,天井照明の点灯パターンを複数用意して切り替えることで高速に相対的な位置を推定する手法である. 場所により段階的に光度と色温度を調整することで, センシングした値の変化の度合いから位置の推定が可能である. この光度・色温度を用いた相対位置推定手法を実装し, オフィスを模した実空間上でセンサ間のユークリッド距離と実距離の 関係を評価した. 結果として,5ステップでセンサ間のユークリッド距離と実距離に相関があり, 相対的な位置推定が可能であることを明らかにした.

8B-3: シングルホップアドホックネットワークにおけるRSSIを利用した対象端末への駆けつけ方式の検討

シングルホップアドホックネットワークにおけるRSSIを利用した対象端末への駆けつけ方式の検討

災害発生時にGPS 等の既存の位置情報システムが利用できない状況を想定して,無線アドホックネットワークを利用した被災者(発信者) に駆けつける方式を検討している.その検討の一環として,受信者が移動しながらRSSI の大小関係を基に,最寄りの中継端末へ移動する方式を提案してきた.フェージングの影響により,RSSI を用いて大小関係を判別するには駆けつけ精度が低くなる.そこで,RSSI の変化が減少していると判断し移動方向を変えることに保護を設ける.すなわち,同一直線上で移動しながら平均値のRSSI が保護段数回以上連続して減少した場合,移動方向の変更を実施する.保護段数の計算のため,TCP 再送信タイマー(RFC 6298) アルゴリズムを利用して移動しながらRSSI の平均値と平均偏差を求める.本研究ではRSSI を利用した対象端末への駆けつけ手法を提案する.求めた保護段数からRSSIの大小判定に利用し駆けつけ精度向上を図る.そして,フェージング環境の2 波モデル用いた計算機シミュレーションから,保護段数を用いた駆けつけが既知報告の駆けつけより有効性があり,比較して50%程度移動距離が減少できたので報告する.

8B-4: 3次元距離センサと無線LANを用いた屋内位置推定

3次元距離センサと無線LANを用いた屋内位置推定

本論文では,3次元距離センサ付きスマートフォンを携帯して,屋内環境を移動する状況を想定し,ランドマーク,フロアプランおよび無線LANを用いた位置推定手法を提案する.提案手法による位置推定では,無線LANを用いた位置推定により数メートル程度の精度で位置推定を実施した後,3次元距離センサから抽出するランドマークとビジュアルオドメトリを用いて更に精度の高い位置推定を行う.実屋内環境において提案手法の評価実験を実施し,無線LANおよび3次元距離センサをそれぞれ個別に用いた場合の位置推定手法より位置推定精度が向上することを確認した.
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