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8A 統一セッション-ITSのための情報分析

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8A 統一セッション-ITSのための情報分析

8A-1: 準天頂衛星「みちびき」による時空間情報の提供

準天頂衛星「みちびき」による時空間情報の提供

準天頂衛星システムは日本の衛星測位システムであり,GPS(Global Positioning System)と組み合わせることにより,ユーザは山間地・ビル陰等に影響されず,全国でほぼ100%のアベイラビリティ(測位可能時間率)を達成することが可能である.宇宙航空研究開発機構(JAXA)は,準天頂衛星初号機「みちびき」を2010年9月11日に準天頂衛星初号機「みちびき」を打上げた.2011年6月22日にL1C/A及びL2C信号,同7月14日にL5及びL1C信号のアラートフラグを解除し,測位信号の提供を開始した.「みちびき」の成果等を踏まえて,2011年9月30日に「実用準天頂衛星システム事業の推進の基本的考え方」が閣議決定され,「2010年代後半を目途に4機体制を整備する.将来的には, 持続測位が可能となる7機体制を目指すこととする.」こととされた.本稿では,「みちびき」の概要とともに,現在提供している信号について述べる.

8A-2: 車両プローブ情報に基づく信号待ち車列長変動の分析モデル

車両プローブ情報に基づく信号待ち車列長変動の分析モデル

近年,道路交通における効率性や快適性の向上を目指し,高度交通システム(ITS)に関する研究が多数実施されている.なかでも,カーナビゲーションシステムなど,個々の車両に搭載された各種センサから,走行速度や位置情報など走行車両についての様々な情報をリアルタイムに収集するプローブカーシステムが注目を集めている. 本研究では,信号機に起因する交通渋滞について,赤信号中における車列長の増大と,青信号になり車両が順次発進することによる車列長の減少についてモデル化し,各信号サイクルにおける車列長を推定する手法を提案する.提案手法では,信号への車両の到着はポアソン過程にしたがうと仮定し,各信号サイクルについて車列長の推定を行う. 提案手法の性能を評価するため,交通シミュレータを用いて評価実験を行った.実験では,車両群の一部をプローブカーとして無作為に抽出し,それらの走行軌跡情報をプローブカーデータとして, 提案手法により車列長の推定を行った.その結果,誤差5台程度の精度で車列長が推定できることを示した.

8A-3: Smart Access Vehicle システムの実装

Smart Access Vehicle システムの実装

筆者らはこれまで,デマンドバスの一種であるSmart Access Vehicle Systemの社会実装を目指して,シミュレーションによる利便性評価を行いその効率性を確認し,さらに数回にわたる実証実験を行って配車システムが実際に稼働することを確認した. フルデマンド型乗合い車輛複数台のリアルタイム自動配車は筆者らの知る限り世界初であり,このシステムを全自動で稼働できたことは,Smart Access Vehicle サービスの社会実装を行う上で有用な成果と考えている. これらの実験の概要とそれに用いたシステムについて報告する.
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