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7C 品質と信頼性

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7C 品質と信頼性

7C-1: 高精度時刻同期を分散処理制御に活用したタイムアウェア処理方式

高精度時刻同期を分散処理制御に活用したタイムアウェア処理方式

ネットワークの高速化やサーバ仮想化技術の発達により、クラウドコンピューティングに代表される複数のノードが協調して動作を行う分散処理型サービスやネットワーク仮想化が普及している。一方、マイクロ秒やナノ秒レベルの精度でノード間の時刻を同期可能なIEEE1588 PTPv2が登場した。本研究では、高精度に時刻同期されたノードを用いた分散処理制御方式を提案する。これをタイムアウェア型分散処理制御と名付ける。 本方式では、予め時刻に応じていつどのような処理を実行するかを記述した動作シナリオと時刻に従ってシステム内のノードをデータが渡り歩き処理が進行する。処理状況確認パケットを送らずとも他ノードの状況を確認でき、効率的な計算資源の割り当てが可能である。 方式の実現にあたり、通信遅延やノードの性能や特性に起因する遅延の影響を把握、吸収することが課題となる。そこで、動的に動作シナリオを補正するための処理時刻補正のモデル化を行った。提案方式の有効性を確認するための原理実験用ソフトウェアを開発してプロトタイプシステムを構築し、処理時刻補正のモデルに基づいた処理タイミング補正が正確な時刻に沿った処理において有効であることを確認した。

7C-2: 複数のCUBIC TCPコネクションにおけるRTT公平性の改善

複数のCUBIC TCPコネクションにおけるRTT公平性の改善

TCPは現在のインターネットにおいて標準的に用いられているトランスポート層のプロトコルである.高遅延環境下での通信性能には,OSのTCP実装の動作が大きな影響を与える.多くのOSに実装されてきた古典的なTCPアルゴリズムであるTCP Renoではネットワーク帯域を十分に使い切ることができないという問題が指摘されている.そのため,Linux OSには高遅延環境でも高い性能を提供できるCUBIC TCPが実装されている. 本研究では,CUBIC TCPの輻輳ウィンドウ回復時間に着目し,RTTが異なる環境におけるCUBIC TCPコネクション間の公平性の評価を行い,その課題を示す.そして,RTTによりK (CUBIC TCPにおける輻輳ウィンドウ回復時間)を調整しRTT公平性を改善する手法を紹介し,複数コネクション環境における本手法の評価結果を示す.そして多コネクション環境にて十分な公平性を実現できないことを示し,その理由と改善手法に関する考察を示す.
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