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4G 集団センシング

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4G 集団センシング

4G-1: スマートシティ実現に向けた車載型大気情報センシングシステム

スマートシティ実現に向けた車載型大気情報センシングシステム

本稿では,藤沢市のゴミ清掃車に搭載して大気情報を収集するセンシングシステムについて述べる.街中を網羅的な経路で移動するゴミ清掃車にセンシングシステムを搭載すれば,市全体の大気情報を収集できる.現段階では1台のゴミ清掃車に試験的にセンシングシステムを搭載している段階であるが, 将来的に複数台のゴミ清掃車にセンサを搭載し,時間的空間的連続性を考慮した手法でデータを補間できれば,あたかも市全体に大気情報センサを設置したかのようなデータをアプリケーションで利用できるようになる.本稿では,このような情報提供を目標とした,車載型大気情報センシングシステムの設計と実装,実際のゴミ清掃車に搭載した実験について報告する.

4G-2: クラウドセンシングにおけるカバレッジと質を考慮したノード選択手法の検討

クラウドセンシングにおけるカバレッジと質を考慮したノード選択手法の検討

一般ユーザの持つスマートフォンに代表されるモバイルデバイスを用いてセンシングを行うクラウドセンシング(参加型センシング)において収集されるデータの質やカバレッジはそのデータの利用価値に直結するため非常に重要だが,それらは参加ユーザに依存してしまうという問題がある.そのため,データ収集の際に質やカバレッジを考慮したノード選択を行う必要がある.本稿では,データの質・位置・収集コストのそれぞれがバラバラなデータ群に対して,総コスト一定の条件下でデータの質・カバレッジを総合的に評価した最適なノード選択を行う手法を提案し,シミュレーションによる評価を行う.この手法により,クラウドセンシングだけでなく,クオリティコントロールが求められる様々な分野においてより利用価値の高いデータ収集の実現が期待できる.

4G-3: スマートフォン搭載照度センサの集合知によるセンサ入光特性を考慮した夜道の安全性判定システムの構築

スマートフォン搭載照度センサの集合知によるセンサ入光特性を考慮した夜道の安全性判定システムの構築

多数のセンサを搭載したスマートフォンの普及により,位置情報を用いたアプリケーションの需要が高まっている.中でも歩行者向けナビゲーションでは,従来の経路決定要素に加えて,夜道の明るさなどの「安心・安全面」に関する情報を考慮することが求められる.歩道の安全性を街灯の照度に基づき可視化する取組みは,大学,各自治体等によって実施されているが,安全性判定に必要な街灯の照度測定に掛かるコストや手間などから,網羅的な照度収集の実施が困難であることが問題となっている. そこで本研究では,スマートフォン搭載照度センサを用いて街灯の照度データを収集,集合知を形成することにより,網羅的な照度収集および夜道の安全性判定を行うシステムを検討している.なお,スマートフォン搭載照度センサは,入射角特性および照度追従特性といった入光特性をもつため,これらの特性を考慮した照度補正を行い,JIS照度測定法に基づく街灯の照度値を推定する手法,および夜道の安全性判定手法を提案し,検証を行った. 検証の結果,平均水平面照度に対して限定すると,平均誤差は 0.571 lx となり,また安全性判定は 85% と高い適合率を得ることができた.

4G-4: 無線LANモバイル基地局検出のための基地局情報収集フレームワーク

無線LANモバイル基地局検出のための基地局情報収集フレームワーク

無線LAN基地局の急激な増加に伴い,無線LAN観測情報を用いた歩行者の位置推定に関する研究が注目されている. 無線LANを用いた位置推定では移動する基地局が位置推定精度低下の原因の1つになる. そのため,基地局が移動したかや基地局が製品としてモバイル基地局であるかを判別する研究が存在する. しかし既存手法で移動する基地局を判別するためには基地局の観測情報や製品情報を収集してデータベースを構築する必要がある. 本研究では基地局の観測情報と製品情報を一元的に管理し,移動する基地局を判別できるAPIを提供するフレームワークを提案する. 位置推定の際に収集する基地局の観測情報をデータベースにアップロードできる仕組みにより,基地局の観測情報を1箇所に集める. また集まった基地局の製品情報で不足情報を人が手動で入力・編集できる仕組みにより,基地局の製品情報も1箇所に集める. 集まった基地局の観測情報と製品情報を用いて基地局が移動したかと基地局がモバイル基地局かの判別を位置推定モジュールから利用できるようにする. また基地局が移動したかの判別を事前に行い移動する基地局の判別にかかる時間を短縮する.

4G-5: 危険回避のための人物誘導機構をもつ野外学習システムの設計と実装

危険回避のための人物誘導機構をもつ野外学習システムの設計と実装

野外学習は子どもの成長にとって大切である.例えば,実際に外に出て,自然の中で動植物を観察 することで,自然の美しさや生命の神秘を肌で感じられる.しかし,外には子どもにとって危険な状況や 場所が多く存在する.例えば,子どもが一人で遊んでいる時に高所から転落して頭を打ってしまった場合, 周りに助けを呼びに行く人がおらず危険である.そこで本研究では,野外学習イベント用のシステムを構 築し,参加者に自然との触れ合いを提供する.本システムでは,イベントとして「○○を探そう」など, 与えられた課題を遂行するゲームを対象としており,人物誘導を行うことで安全な野外学習の実現を目指 した.本稿では,人物誘導手法として,イベント中に他の参加者から離れて孤立してしまった人物の近く へ,周りの参加者を彼らが遂行中の課題に対するヒントを提示することで誘導する手法を提案した.そし て,提案システムの有効性を検証するため実際にイベントを開催し,誘導用のヒントを出された参加者が どのような動きをしたか,孤立した参加者がどの程度の時間孤立状態が続いたかを調査した.その結果, ヒント提示による誘導手法の有効性と改良の必要性を確認した.
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